ファンドの運用とCTA動向レポート

2007年7月・商品ファンドの運用とCTA動向

1. 運用概観
 7月においては、下旬に訪れた株安と円高が他市場にも大きく影響することとなった。商品市場においても、月中から下旬にかけて値を下げたものが多かった。米国の住宅関連指数の悪化から景気の後退がささやかれ、そのことがインフレ傾向の収束まで想像させることになったようである。
 石油市場においては、原油相場がやや上昇するも、ガソリンは月中から大きく下落に向かった。貴金属も同様に月中から下落した。穀物ではコーンが前月からの下げに対し一時やや戻したが、月末にかけてまた下げてしまった。砂糖はNY市場で前月に続いて上昇したが、日本市場では円高が響いて月末に下げてしまった。コーヒーは方向性のつかめない動きであった。しかし何と言ってもこの月に注目を浴びたのは、株式市場であった。これまで高値警戒感が燻ぶりながらも堅調に推移してきた株式だが、ついにNYで大幅下落となると、日経平均も大きな下げを見せてしまった。債券市場においてはT-Bond(米国長期国債)は上昇したが、これまでのトレンドは修正されそうな動きだった。為替市場は一転、あらゆる通貨に対して円高傾向が見えた。ユーロもドルに対して確りの推移であった。これまで株式指数や債券市場で利益を挙げてきたCTAも、7月は損を出したものと思われる。

2. 市場別レポート
1) 貴金属市場ではこの月、どの銘柄も同様な推移を見せた。すなわち、月中までは上昇するもその後下げ始め、更に円高となって下げに拍車がかかる形となった。これまで銀が相場をリードしていたが、日本市場において7月の下落はそれを象徴するかのように下げ幅が大きかった。また、日本市場では円高の影響も大きく、海外市場以上の下げを強いられた。非鉄市場のアルミ、銅とも貴金属同様に下落したが、非鉄は先行して下げていたため下げ幅は貴金属ほどではなかった。多くのCTAにとってはポジションの調整がつかず、難しい月となったと思われる。
2) 穀物市場では、コーンが前月の余波を受けて下げ基調であった。月初は一時反発したものの月末にかけて再度下落となった。大豆も同様の動きを示した。日本市場では円高の影響を受けて海外より基調は弱かった。一方、小麦だけは堅調に推移。北半球における天候相場も山場を越えたようで、広い意味で大勢は決まってきたと思われる。今後CTAは、需給相場に向けてのポジション調整に入っていくだろう。
3) 7月の石油市場においては、原油が堅調に上昇していたものの、ガソリン・灯油が月中から大きく下げた。円高の影響を受けた日本では、特に大きな下げに繋がった。ただし、市中のガソリン価格は、報じられるとおり上昇を続けている。日本は中東産原油を消費しているため、NYの相場とはやや異なると思われるが、動向には今後も注目である。この月、相場変化に乗れたCTAは利益を挙げていようが、ほとんどのCTAはうまくいっていないようだ。
4) 農産物市場の砂糖においては、前月の下げが底を打ちやや上昇傾向に転じたようでNYでは戻していたが、日本市場では円高の影響により月末に大きく下げてしまった。一方、コーヒーは方向感のつかみづらい動きとなった。それでもこの市場を得意としているCTAは、この月に利益を挙げたのではないかと予想する。
5) 株式市場にはこれまでも高値警戒感はあったが、NY市場において住宅関連指数の悪化から暴落した。これが各国の株式市場にも影響を及ぼし、世界的な株安を呼んでしまった。また、円高を進める結果にもなり、日本の市場では株安・円高のダブルパンチとなった。債券市場ではT-Bondが買われる展開だった。CTAはこれまでトレンドに乗って、株式市場・債券市場ともに利益を出し続けていたが、7月はそれまでのようにはいかなかったようだ。
6) 為替市場はそれまでの流れから一転して、大きく円高となった。あらゆる通貨に対し円は強く、3月から続いた円安に一時的に終止符を打つ形となっている。この円高は、NY株式急落が引き金となったようだが、これまで世界的に行われていた円キャリートレードが止まり、逆の動きが出始めたと見る向きもある。ユーロもドルに対して強基調であった。これまでCTAは円売り等で利益を挙げていたが、7月のこの動きに対し、利益となったところは少なそうだ。

 7月は株式急落と円高の影響により下降傾向の商品が多く、それまでのトレンドとは逆に動いたことから、CTAにとっては難しい月であったことだろう。ポジションを変化させ、新たなポジションを作り始めてくるCTAも多いと思われる。

(このコメントは7月の一ヵ月間の市場動向から見た私観であり、CTAの成績については各々で異なるため、公式なパフォーマンスをご覧になってご判断ください。)
(毎月上旬に、前月の動向についてのレポートを掲載します。)


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