オプションの戦略的利用

各人の投資スタンスに応じて、自由な組み合わせで様々な作戦を立てて取引を行うことができる点こそ、オプション取引の魅力であり、真髄でもあります。
オプション取引を利用した戦略的な投資方法の一部をご紹介してみましょう。

>>先物買い+プットの買い(プロテクティブ・プット)
金先物取引において買いポジションを保有しつつ、この買い玉の価格が下落するリスクをヘッジする目的でとられる戦略です。金オプションの利用法としては、比較的用いられることの多い、実践的な方法のひとつです。
金相場の先行き堅調を予想して、金先物市場において1380円で買いのポジションを建玉した後、相場は1450円まで上昇しました。70円の含み益が出ている状態です。今後も相場の上昇を期待してはいるが、短期的には押し目を迎えて弱気になりそうだと予想されたので、リスクを限定するために、権利行使価格1450円のプット・オプションを、プレミアム40円で買いました。
この2種類の取引の組み合わせによる合成ポジションの損益関係を図示すると、右のようになります。
金先物の買いポジションを持っているだけの場合、損益分岐点の1380円を下回るとその分だけ損失が大きくなったのが、プット・オプションの買いを行うことで金先物の相場が下落するほど利益が大きくなるため、合成ポジション全体で考えると両者が相殺し合い、最低でも15円の利益を確保できます。
一方、金先物の相場が上昇すれば、それだけ利益が大きくなりますが、プットの買いを行うことによりプレミアムを支払う必要があるため、金先物の買いポジションだけの場合に比べると利益の額は40円小さくなります。
上記からおわかりのように、原市場の買いポジションとプット・オプションの買いポジションの合成ポジションは、損益関係をまとめると、コール・オプションの買いの場合と同様の損益パターンとなります。このような合成ポジションを、「プロテクティブ・プット」と呼んでいます。

>>先物買い+コールの売り(カバード・コール)
金先物取引において買いポジションを保有しつつ、プレミアムの受け取りによる収入も得て、投資効率を高めたいというような目的でとられる戦略です。
金相場の先行き堅調を予想して、金先物市場において1380円で買いのポジションを建玉した後、相場は1450円まで上昇しました。70円の含み益が出ている状態です。今後しばらくは相場は伸び悩むのではないかと予想されたので、権利行使価格1450円のコール・オプションを、プレミアム40円で売って、プレミアム受け取りによる収入を確保してより効果的に投資を行いたいと考えました。
この2種類の取引の組み合わせによる合成ポジションの損益関係を図示すると、右のようになります。
金先物の買いポジションを持っているだけの場合、損益分岐点は買い値の1380円ですが、コール・オプションの売りを行うことによりプレミアムを受け取れるため、合成ポジションの損益分岐点は1340円に下がります。金先物の相場がこれを上回れば合成ポジション全体では利益となりますが、最大でも利益は110円に限定されます。
一方、金先物の相場が損益分岐点の1340円を下回ると、下回った分だけ損失が大きくなります。
上記からおわかりのように、原市場の買いポジションとコール・オプションの売りポジションの合成ポジションは、損益関係をまとめると、プット・オプションの売りの場合と同様の損益パターンとなります。このような合成ポジションを、「カバード・コール」と呼んでいます。

上記のようなやり方以外にも、様々な投資戦略がありますが、まずは触りだけをご紹介しました。
現物取引とオプション取引、原市場の取引とオプション取引を組み合わせたり、オプション取引同士で様々な手口を組み合わせるなど、自由な発想に基づいて戦略を立てることができ、そのパターンは大変豊富です。ご興味がおありの方は、専門書などで研究されてみるのも良いでしょう。


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