サーキットブレーカー
サーキット・ブレーカー制度(Static Circuit Breaker)
取引所では、相場が過熱してきた場合、取引を一時中断することで投資家の過熱感を鎮め、冷静な判断の機会を設けるための措置として、サーキットブレーカー制度が採用されています。制度概要は次の通りです。
発動条件 |
先物取引の中心限月取引について、次の条件に該当した場合
■先物取引(ミニ取引は除く。)の中心限月取引において、制限値幅の上限(下限)値段に買(売)呼値が提示され(約定を含む。)た場合には、原資産が当該中心限月取引と同一の先物取引(ミニ取引及び限日取引を含む。)を一時中断し、制限値幅の上限(下限)を拡大します。 制限値幅は、SCB発動状況に応じて段階的に拡大します。 制限値幅の拡大は中断中に行います。 |
中断対象 |
発動条件に該当した場合、以下の銘柄の取引を一時中断します。
⑴ 先物取引の全限月取引
⑵ 原資産が金の場合は、金先物オプション取引の全限月取引・全銘柄
⑶ ⑴の限月取引に関連するストラテジー取引
⑷ ⑴⑵の銘柄に係るJ-NET取引 |
適用除外の条件 |
■日中(午後)立会又は夜間立会のレギュラーセッションの終了時刻から20分前以降に発動条件に該当した場合
■同一取引日の間に制限値幅の上限(下限)値幅を2回拡大した後、再度発動条件に該当した場合
■過誤のある呼値が入力されたことにより発動基準に該当した場合
■取引状況等を勘案して取引の一時中断を行うことが適当でないと取引所が認める場合 |
中断開始 |
SCB発動条件該当直後の取引所がその都度定める時
※SCB発動基準該当後に中断の手続きを行うため、基準該当から中断開始まで若干の時間差が生じます。 |
中断時間 |
10分間以上 |
再開方法 |
中断時間経過後、制限値幅を拡大の上、板寄せ方式により取引を再開 |
基準値段 |
取引日単位で洗替え |
制限値幅
過度な値動きを抑制する観点から、呼値の可能な範囲を取引所が銘柄ごとにその呼値の制限値幅の基準値段(前取引日の清算値段)に所定の比率を乗じて得た値幅として、取引日単位で制限値幅が設定されます。
また、大阪取引所が必要と認める場合は、臨時で呼値の制限値幅を見直すことがあります。
OSE 制限値幅の設定
OSEの商品先物については、制限値幅の基準値段に下表の比率を乗じて得た値幅を設定されています。
商品 |
通常時制限値幅 |
第一次拡大時 制限値幅 |
第二次拡大時 制限値幅 |
金(標準) |
5% |
10% |
15% |
金(ミニ) |
金(限日) |
銀 |
10% |
20% |
30% |
白金(標準) |
10% |
20% |
30% |
白金(ミニ) |
白金(限日) |
パラジウム |
10% |
15% |
20% |
CME原油等指数 |
10% |
20% |
30% |
ゴム(RSS3) |
10% |
原則、拡大なし |
ゴム(TSR20) |
10% |
小豆 |
8% |
とうもろこし |
8% |
一般大豆 |
10% |
サーキット・ブレーカー発動時の制限値幅の上限又は(及び)下限の拡大
■貴金属、原油等に係る呼値の制限値幅の拡大については、第一次制限値幅、第二次制限値幅まで拡大していきます。
■貴金属、原油等に係る呼値の制限値幅の拡大については、上限又は下限のうち一方向にのみ拡大します。
■ゴム市場及び農産物市場については、サーキット・ブレーカー制度の対象外です。
TOCOM サーキット・ブレーカー幅(SCB幅)の設定
TOCOMの商品先物については、サーキットブレーカー幅(SCB幅)の基準値段に下表の比率を乗じて得た値幅が設定されています。
商品 |
通常時制限値幅 |
サーキットブレーカー発動時の制限値幅の 上限又は下限の拡大 |
第一次拡大時制限値幅 |
第二次拡大時制限値幅 |
原油 |
30% |
45% |
60% |
ガソリン |
灯油 |
中京ガソリン |
サーキット・ブレーカー発動時のSCB幅の上限又は下限の拡大
■TOCOMの商品先物に係るSCB幅の拡大については、第一次SCB幅、第二次SCB幅まで拡大していきます。
■TOCOMの商品先物に係るSCB幅の拡大については、上限又は下限のうち一方向にのみ拡大します。
即時約定可能値幅制度 (DCB値幅制度)
取引所では、誤発注等による価格急変の防止の観点から、直前の基準となる値段(以下、「DCB基準値段」という。)から所定の値幅(以下、「DCB値幅」という。)を超える約定が発生する注文が発注された場合に、取引の一時中断を行う制度(即時約定可能値幅制度)が採用されています。
※即時約定可能値幅に基づく売買の一時中断は(Dynamic Circuit Breaker)は現物市場の特別気配に当たる制度であり、制限値幅及びサーキット・ブレーカー制度に基づく売買中断措置(Static Circuit Breaker)とは異なります。
1)DCB基準値段
商品先物(CME原油等指数を除く)のDCB基準値段は直近約定値段(Last Price)、CME原油等指数はLast Price又は直近の最良買い呼値及び最良売り呼値の仲値(BBO仲値)となります。
Last Price又はBBO仲値のいずれかを採用する場合、原則として、直近の注文により約定が発生した直後の注文にはLast Priceを、それ以外の注文にはBBO仲値をDCB基準値段として採用します。
クロージング・オークションに適用されるDCB基準値段にBBO仲値が採用される場合、レギュラー・セッションにおける最終のBBO仲値となります。
ただし、直近の最良買い呼値と最良売り呼値が一定値幅(MAX SPREAD)を超えて乖離する場合など、注文の状況によってはBBO仲値を採用せず、直前のDCB基準値段が継続する場合があります。
当取引日においてLast Price又はBBO仲値がない場合は、当取引日の呼値の制限値幅の基準値段をDCB基準値段とします。
※BBO仲値は最も近接する呼値可能な値段に切り上げ又は切り下げをします。ただし、最も近接する値段が2つある場合は、高いほうの値段に切り上げるものとします。
2)DCB値幅
DCB値幅は、銘柄区分によりそれぞれ下表の範囲内とします。
商品 |
DCB基準値段 |
DCB値幅 |
オープニング・オークション |
ザラバ |
クロージング・オークション |
金(標準) |
Last Price |
上下120円 |
上下40円 |
上下80円 |
金(ミニ) |
金(限日) |
銀 |
上下3円 |
上下1円 |
上下2円 |
白金(標準) |
上下120円 |
上下40円 |
上下80円 |
白金(ミニ) |
白金(限日) |
パラジウム |
上下90円 |
上下30円 |
上下60円 |
CME原油等指数 |
Last Price又はBBO仲値 |
上下3.0% |
上下1.0% |
上下1.5% |
ゴム(RSS3) |
Last Price |
上下15円 |
上下5円 |
上下10円 |
ゴム(TSR20 |
小豆 |
上下300円 |
上下100円 |
上下200円 |
とうもろこし |
上下750円 |
上下250円 |
上下500円 |
一般大豆 |
上下1,500円 |
上下500円 |
上下1,000円 |
※即時約定可能値幅制度の中断時間は、最低30秒で、継続してDCBが発動する場合は、中断時間が30秒ずつ延長されます。なお、祝日取引における中断時間は平日よりも長くなり60秒となります。
取引停止情報
現在のサーキットブレーカーの発動状況については、取引所のページでご確認ください。
日本取引所グループ(JPX)ウェブサイト